成年後見



リストマーク  痴呆性高齢者・知的障害のある方・精神障害のある方のような判断能力が不十分な方が、社会で普通の生活を営んでいけるよう、保護及び支援を図るための制度です。

 たとえば、高齢者を対象にした悪徳商法等の被害を昨近よく耳にします。判断能力の低下した痴呆性高齢者が高額な商品を購入させられるという危険を後見制度を利用することにより、回避することができます。

 成年後見の審判を受けた本人(「成年被後見人」と呼びます)は、契約を締結する能力がないものとみなされるため、そもそも結んだ契約を取り消すものができる法律行為として取り扱われるからです。

 判断能力の低下した方の財産保護・身上保護のために創設されたのが成年後見制度です。
 


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3つの基本理念
 

 成年後見制度には3つの基本理念があります。
 
 @ノーマライゼーション
 
ノーマライゼーションとは「障害者や高齢者等社会的に不利を受けやすい人々が、社会の中で他の人と同じように生活し活動することが、社会の本来のあるべき姿である」という考え方です。

 A自己決定権の尊重
 
痴呆性高齢者・知的障害のある方・精神障害がある方であっても、ご本人の意思能力が全く存在しないと考えるのではなく、ご本人の希望を最大限考慮して保護していくという考え方です。

 B身上保護の重視(身上配慮義務)
 
「療養看護及び財産の管理を行うにあたっては」本人の「心身の状態及び生活状況に配慮」(民法858条、876条の5)することとされています。
 これは本人の状況を無視した財産処分が行われたり、財産の侵害が行われることを除去するために重視されています。



リストマーク 成年後見制度の4つの類型

 成年後見制度には本人の精神状態から3つの法定の類型及びご本人が元気なうちに将来のことをみこして、契約という形で将来的に後見を発生させる任意の形式という4つの類型が認められています。


判断(事理弁識能力の状況)

不十分の場合


法定後見
  十分な場合
  任意後見


今は元気だが将来
判断能力が低下しときに備えて、あらかじめ任意後見人となるべき人と公正証書により契約する
欠く状況

後見
著しく不十分

保佐
不十分

補助
  後見人

○日常生活に関するものを除き、すべてに取消権・代理権
  保佐人

○重要な取引行為に対して、同意権・取消権。代理権は別に付与審判が必要。
  補助人

○特定の法律行為に対して、裁判所が同意権・代理権を付与。
  任意後見人

○代理権のみ。
任意後見契約書(公正証書で作成)の内容を実現する。


リストマーク 具体的な手続き(法定後見)

 後見・保佐・補助の法定3類型につきましては、家庭裁判所に審判の申立をします。

 後見・保佐・補助のいずれの類型に当てはまるかは家庭裁判所が判断します。

 その際に、いずれの類型に該当するかの判断基準として、医師の診断書を提出します。医師の診断書ではいずれの類型に該当するか、裁判所が判断しかねる場合、裁判所が選任した鑑定人が鑑定をするという手続きを踏みます(鑑定に関しては別途費用が必要です)。

 また、本人の財産の収支状況をあきらかにするため、財産目録等を提出します。これは本人の財産を後見人等が恣意的に利用することがないように裁判所が財産の収支状況が適切であるかを監督するためです。

 裁判所に提出する書面に関しては多岐にわたりますが、最寄の家庭裁判所もしくは、裁判所各支部の家事事件係にて必要な書類及び書類の提出についての説明がされています。一度最寄の裁判所に相談にいくのもひとつの手段だと思われます。

 審判の申立をされると概ね1ヶ月程度で審判がおります。
 


リストマーク 任意後見の場合

 今はしっかりと判断することができていても、将来のことを考えると不安になる。そういう方は将来後見してもらう人物を選任して後見契約を結ぶという任意後見制度を利用することができます。

 上述の法定後見3類型が事後的な保障制度であることに対し、任意後見制度は「自己決定権の尊重」という基本理念をもっとも具象化しているといえる事前的な手続きです。

 任意後見契約書は公正証書で作成しなければなりません。最寄の公証人センターにて相談することが可能です。

 任意後見制度は、公正証書で契約書が作成された時点では、本人に判断能力があるため、後見の効力が発生していません。本人の判断能力が不十分になってきた際に、裁判所に任意後見監督人の選任の申立をし、任意後見監督人が選任されることにより、作成した公正証書の契約書にのっとり任意後見契約の効力が発生します。

 任意後見制度では本人の財産面・生活面の支援が不十分になった場合には、法定後見の制度に移行することも可能です。
 


リストマーク 後見人等

 後見人・保佐人・補助人となるには、なにも特別な資格が必要なわけではありません。

 申立の際に後見人等の候補者を立てることは可能ですが、その候補者が本人の生活支援をするにふさわしい人物であるか、裁判所が判断します。あくまで最終的な判断は裁判所に委ねられています。

 しかし、本人の身近な人を後見人等に候補者として申立をし、そのままその候補者が後見人等となる例も多数あります。

 後見人等には裁判所に対して、後見等の事務の報告をする義務があります。これは身上面と財産面とについて報告しなければなりません。

 後見人等候補者が身上面では面倒を見ることができても財産面については(特に財産が多岐に及ぶ場合等)複雑なケースにおいては、身上面は本人の生活状況を把握し、実際に面倒を見ている親族が行い、財産面については専門家が行う、というように、後見人等の職務をわけて、後見人等が複数名選任されるケースもあります。
 



リストマーク  たけもと行政書士事務所では法定後見制度に関しての相談・申立必要書類の作成のアドバイス及び財産目録の作成等、任意後見制度に関しましては、任意後見契約書の作成及び公証人との打ち合わせ等させていただくことが可能です。






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